アイヌの女性の命、針刺し“チシポ”作り体験!

石狩にあるひびきの丘では、今年からアイヌ文化が学べる新しいプロジェクトがスタートしました(^^)
プロジェクト名は「藤戸ひろ子と学ぶ先人の知恵シリーズ」

森羅万象にカムイ(神)が宿ることを知っているアイヌの方々。講師のアイヌ民族の家系である藤戸ひろ子さんのお話は、「創り出すどんな小さなもの、生活の道具であっても祈りのためのものでも、装飾のためのものであっても、魂が備わっている。だから、心を込め、想いを込め、祈りをこめて大切にし、継がれてきました。」というお言葉が溢れ出てきます。先人への敬意や自然への感謝が時代を超え繫がっているのですね。


アイヌ刺繍を学ぶ初回は、まずは道具から!ということで、森に入らせていただくご挨拶をし、入山。狩りや植物の採取などで、衣食住に関わるあらゆるものを森から得て暮らしてきたアイヌ民族にとって、森は生活に欠かせない大切な場所ですから、その森へ入る前には、“森のカムイ(神)”へのご挨拶です。本来その場にいない人間が森に入るので「荒らしたりはしません、必要な分だけいただきます。」とお願いします。
それから、森林浴を楽しみながらサビタ(ノリウツギ)という木を探します。枝を切り今回使う分だけいただき、残りの枝は地面を掘り挿して森にお返しします。

学校に戻り、自分の手の大きさに合わせてカットします。
そして皮をむくのですが、スルッと剥けて気持ち良い!みずみずしい木の香りが広がります。
木の中を堀り削っていきます。そして、藍染めの細長い布を縫い、古銭を通し、刺繍していきます。カラフルな糸がたくさん!選ぶのもまた楽しい時間です。草木染めや藍染めの糸。うっとりです(^^)最後に、サビタに通して完成!サビタにはアイヌ文様を彫刻刀で彫るそうですが、今回はここまで。あっという間に夕方でした(笑)
来月はいよいよアイヌ文様の刺繍のスタートです。アイヌ刺繍の美しい模様はモレウ(渦巻)アイウシ(棘)シク(目)などの基本モチーフを組み合わせて構成されています。それぞれの文様は自然事象の抽象化だとされています。体の部位、水の波紋や、炎、風のうねり、宇宙などです。そのモチーフを組み合わてアレンジし、一針一針に祈りを込めて手を進めるというアイヌ刺繍。どうなるのでしょう、楽しみです!